劇団キンダースペース第32回公演
シアターX提携公演


新・牡丹灯籠

原作三遊亭圓朝
構成・脚本・演出原田一樹


「牡丹灯籠」が他の怪談話と違うように私たちを惹きつけるのは、
この話が、復讐の怨念によるもう一つの世界からの襲撃ではなく、
愛の執着によるもう一つの世界への誘惑であるからです。
しかしこの二つは、実は全く同じように、
一見平穏なこの世界の、深い亀裂を意識させます。
 愛と呼ばれる一人一人のつながりがいかに不確かなものなのか、
そして、なぜ愛は執着に姿を変えるのか?
それは私たちがいかに独りか、独りである事に耐えられないか、
ということを教えます。
執着の見せる悪夢は、想像力を遥かに超えて私たちに襲いかかります。
それは悪夢が、すぐそこにある、
もう一つ別の世界からやってくるからです。

原田一樹


 これまでキンダースペースはアトリエ公演において、近代文学アンソロジー〈小泉八雲篇、志賀直哉篇、織田作之助篇、太宰治篇等〉として日本の近代小説を劇化・上演して参りました。
 今回は本公演として、三遊亭圓朝の古典落語「牡丹灯籠」を原作に、三つの絡み合う話を、女の側からの恋愛への執着と情念として描きます。
              

劇団キンダースペース
制作部