劇団キンダースペース創立30周年記念公演第一弾

劇団キンダースペース第36回公演
原作/トルストイ 構成・脚本・演出原田一樹
新「復活」
ネフリュードフとカチューシャ

三島景太氏

超・超大作!劇団キンダースペース『新・復活』

2月4日の初日に拝見。
最前列のド真ん中 かぶりつきでの観劇。

これ、ものすごい大作です!

特に、二幕のクライマックス”囚人の移送”の場面は圧巻。
ものすごい数の移送される囚人たちの息吹が空間を満たす。
舞台上に登場している役者の数は、多くないのに。
又、舞台がシベリアという極寒の地に近づいていくにつれ、舞台上を覆う空気がどんどん冷たくなっていく。
目の前の役者の肉体はどんどん熱を帯びていっているのに。

舞台上に仕掛けられたたくさんのマジックと、僕らのギリギリの想像力が、豊かな化学反応を起こして、まるでその場にいるかのように身体ごと壮大な物語の世界に引き摺り込まれて行く。

舞台上では台詞として語らるカチューシャの7年間が、瀬田さんの身体を通して、身体に刻み込まれた”二度と取り返しのつかない過去”としてリアルに見えてくる。
ドキュメンタリーのように、トルストイの言葉が、そこにある瀬田さんの身体から生々しい切実さで突き刺さってくる。

去年、僕が参加した『プラトーノフ』は、セレブ達の側に光を当てた舞台。
その中にあって、僕が演じたオシップという人間は底辺を生きざるを得ない、物語では謂わば影の方の登場人物だった訳だが、今回は、オシップ側の方にも光が当たっている。

劇団キンダースペース30周年の節目の作品ということもあり、かなり気合の入った見応えのある超・超大作です。