【感想】

※観てまいりました。びっくりした。何だかすごい。すごかった。

感情を揺すぶられるすごい夢を見たあとにそれを誰かに説明すると体感した大事なものが少し遠ざかって思い出せないというか、確かに温度を持ってそこにあったものが褪せてしまうような感覚で私が受けたものをうまく説明することが難しいのですが

理屈ではなく。人って何かを観てドキッとするほど揺すぶられることって何度あるんだろう。

「河童」という物語を?ここまで明確にあえて芥川が可視化させなかったかもしれない部分にもライトを当てて見せてしまう決して曖昧さで逃げ道を用意しない大胆な演出と構成の見事さにまず射抜かれて。

そして役者さんもすごく良かった

みんなそれぞれの真実を生きていて…観客はみんな登場人物を好きになってしまうんじゃないかな(笑)お上手に見せるような装飾を、一切つけない演技。途中からお芝居なのか何なのかわからなくなって、舞台上で繰り広げられる世界に憧れを抱きながら、これは架空ではないのでは?と錯覚してしまうほど吸い込まれてワガママに空間を楽しむことができました。

好き勝手に猛々しく伸びている熱帯雨林の植物のような竹の装飾も美しくて素敵だった。荒々しいようでいて生物をがんじ絡めに、自由を奪うようでいて。

まだ心地よい余韻が残ってます。拝見できて良かった。今日が千秋楽なのでもう見るチャンスがないのが淋しい。いい舞台をありがとうございました。



※初日の舞台を見た。素晴らしい。美しく幻想的な舞台に、適度なユーモアを交えつつ、キンダーらしい真摯なシリアスなドラマが展開する。芥川龍之介という作家の心の真実を、舞台空間に「目に見える」ように描いた原田さんの技量にただただ感服。地の底からわき出るような水をイメージさせる音楽、竹を巧みに使って閉ざされた空間を作りだした装置、うっとりするような青を駆使した美しい照明、そして、ポップでどこかノスタルジックな味わいのある衣裳などどれをとっても秀逸で、これらが調和して「河童国」の世界の魅力をより深みのあるものにした。豪華な客演陣をむかえ、キンダーのすべてを結集した舞台、一人でも多くの方に見てほしい。



※この山本洋三先生の題字とチラシ絵に魅せられたうちの国語科3人で観てきました 。あの「河童」をこんな風に舞台化するんだ〜!印象深いのは「河童」原作の本文にはない、母との関係を描き出す場面。芥川の深層心理が織り混ぜられたあちら側の世界。最後シーンの解釈などを話しながら、両国の新スポット江戸NORENで海鮮定食食べてきました



※ (^_^;)開演前は客席の暗さに多少ビビり、寝ちゃうかも…と。でも、伸びやかな紺野さん博士の登場と謎解き風の展開に、あまり芥川龍之介作品を読んでいない私ですが、最後までひきつけられました〜ホントほんが面白い!カッパ国の法律に戦慄、そして内容と違うレベルで、カッパ国の言葉のチョイスにクスクス笑ってしまいました。



※ キンダースペースの河童?観てきました。河童の世界の価値観を繰り広げながら人間界をあぶり出すキンダーらしい劇になっていました。



※ 河童は素晴らしい舞台でした。冒頭からす〜っとちょっと湿った異界へ引っ張り込まれ、散りばめられたユーモアも極上で、見終わった直後に、まだまだこの世界に浸っていたいな!と思いました。繰り返し見て、自分の感覚が微妙に変化していく(河童の世界のひとりに?)誘惑を味わいたいなと強く思いました。キンダーの演目の中で一番(私の中で)かな? と思いました。私には、すごくわかりやすい、説得力のある舞台でした。ふっと入って、出て来たくなくなる……終わった後の強い喪失感……そんな舞台、久々でした。



※写真よりも、肉眼で見たそれはもっと壮大な竹のオブジェです。そして、硬派な近代文学や古典演劇のイメージが強いキンダーの役者さん方が、河童国の河童にふんし、衣装もメイクもセリフもクスッと笑ってしまいます。榊原さん演じるセクシー河童看護師の衣装には、ふだんまばたきの多い私も目を見開いたまま!!笑 ステージ上だけでない演出や、芥川の苦悩も共に味わい、お芝居っていいなぁと感動しました。



※キンダースペース、河童。日本近代小説からの創作。数年前にはアトリエでやっていたことの拡大。芥川でも難解なる作への挑戦。役者は真ん中に劇団員を置いて客演らで周りを囲む図。この構図のままの場面があり、河童世界観を垣間見る見事な絵と見えた。厭世観の先、淡々とした印象もやむなしか。



※ 仕事帰りに「河童」の世界に入り込んで来ました。そこは、別次元の世界。人間界と同様に面倒な河童もいたりして。脳みそを「河童」の世界に切り替えてくれてくれて感謝です!現世は辛いことがたくさん有りますもんね。別世界への小旅行、行ってみたい方は是非。もちろん、文学的に触れたい方にもお薦めです。



※ 前半は少し眠たく後半は夢中で観ました。休憩を入れて約2時間のお芝居でした。河童という作品のストーリーが龍之介の生い立ち、生き様とあまりに一致していることに驚きながら観ました。小雪がちらつく寒い日でしたがいい芝居が観られて気持ちは暖かでした。



※ ※正直高校生には少し難しかったです(笑) でも予想以上に惹き込まれて何度でも観てみたいと思いました。原作も読みたくなりました。



※ 劇団キンダースペースの「河童」を観た
公演に先立ちキンダースペースで「河童」の原作を読む会に参加した
私たちが想像がつかない世界観が広がる物語なのでお芝居もかなり難しいかなと思い 観劇したがやはり予想通り難解だった(笑)
しかし難しい わからないはもしかしたら思い込みで
初めから理解することを放棄しているのかもしれない
今一度 さっき観た「河童」に思いを馳せ感想を述べたいと思う
ある男が(精神病患者)森に迷い河童の世界に迷い込み河童との暮らしを語り始める
その中で印象深かったのはお腹の赤ちゃんがこの世に生まれるか生まれたくないか選べると言うのだ
この「河童」の作者芥川龍之介の人生はかなり苦しいものだったらしい
もしかしたらこのような赤ちゃんに世に出る出ないが選べるのなら 彼は生まれない方を選んだのかもしれなかったのか?なんて思ってしまった
河童のトックの話も印象深くこのトックこそが芥川龍之介そのものだった
芸術とは苦しみの中からより優れたものが生まれるのだろうか
今でも読み続けられている様々な作品の裏には「河童」の中に描かれた彼の悩み苦しみ悲しみが見えたような気がした
ラスト河童の話をしていた男が突然 目の前から消える
もしかしたら彼は自殺した芥川龍之介の亡霊だったのか?
重い作品だが途中 ギャグが入ったりして観るものの緩和剤となっているところがよい
河童の衣装も個性豊かで楽しかった
セットも良かった
笛を持つ河童を演じた阿部百合子さんが
台詞もないのにとてつもなく存在感があって感動した



※先週末、キンダースペースの舞台『河童 鼻の先の夕暮れ』を観た。芥川のそれと違って清々しささえ感じるものだった。芥川が文学で表そうとした現実は『若し理性に終始するとすれば、我々は当然我々自身の存在を否定しなければならぬ』(芥川『河童』)ほどの日本だった。それから90年、舞台『河童』はより滑稽に河童世界を描き、芥川の出生を絡ませることで『ぼんやりとした不安』に迫っていく。『いま存在している河童は全て望んで生まれてきた』(舞台『河童』)というこの世に生まれたことへの最大の賛辞を観客に浴びせる。ちょっと爽やかになって雪がちらつく雑踏を水鼻を啜りながら上野駅まで歩いた。



昨日は劇団キンダースペースの「河童」を観劇。
いつものキンダーとは一味違う舞台でした。
松野さんの竹を使った素晴らしい美術と和田さんの口琴とカリンバの音が、異空間へ引き込んでくれました。
客入れの音楽がなかったのも妙な緊張感があって良かったのかも。
キンダーのいつもの舞台は、観る側が「頭で考える」部分がありますが、今回の舞台は、もっと感覚的なだった印象です。
芥川作品の特徴と通ずるところかもしれません。
自分の中の精神世界のような、空想の中のような不思議な感覚。
ここでない、向こう側を感じられる面白い作品でした。
鳥居さんの河童の衣装やメイク、可愛かったです♪
山本先生のこの河童の絵も素敵ですね♪



今回も自分たちの作る芝居とまったく違う芝居を観て感動した。
 劇団キンダースペース公演 作・演出の原田一樹 「河童」~鼻の先の夕暮れ~ (於シアターX)
 たしかに芥川の「河童」の劇化は魅力的な作業だと思う。芥川の自死をふくめた生涯と作品、彼の韜晦な虚と実、それらを重層的に舞台上で組立て直すことが出来るからだ。しかし、原田氏が何よりこのことに成功したのは、劇の後半、トック(河童の世界の主役・詩人)の自死の場で原作にはないトックの生い立ちをめぐる育ての親と生みの親(幽霊)の対立の場を氏が独自に挿入したことだと思う(舞台に登場する幽霊が実に魅力的だった)。芥川龍之介作家論として、それ以上に日常と観念とのあわい往来する僕らのありようについて、観客にスリリング(思索的?)な興奮を強いる重厚な芝居だと思った。
 ただ、最終場、人間界の精神科医と助手との解説・啓蒙的な会話は、蛇足じゃないかな(私感)。