日・記まぐれ 2002年1月〜


5/3 [利賀フェスティバル2002]

 4月27日から始まる、利賀芸術公演【利賀フェスティバル】を見に行く為に、26日朝、利賀村に車で向かいました。いい天気!! 長野県を走るあたりではお日さまポカポカ、行楽日和!!
 演劇人会議評議員である原田は、普段はスタッフとしてここに参加しているが、今回はスケジュールが合わずお客様として行く。それにお供した。

 芸術公演には宿泊施設がたくさんあり、フェスティバル参加者やお客様も一杯泊まっている。私たちは今回その中でも最高級(!)の【天竺】という宿に泊めてもらうことになりました。

 七時の前夜祭バーベキューパーティーまで天竺の温泉に!露天風呂もあってきれいな施設。 温泉で出会った橋爪さんと仲良しになった。
 彼女は富山の人だけど、西川口におばさんが居てよく行くとのこと。チラシを渡したら地元の親戚に宣伝してくれるって!
 橋爪さんと別れた後は、こちらも今北九州から車で駆け付けたばかりの、北九州を本拠にする演出家ペーター・ゲスナーさんと主演女優さんと【天竺】の休憩室でお話をする。彼等は5月2日から、長野県の中条村で約半年かけて地元の人たちと作り上げた「山姥」という作品を上演する。ペーターさんは利賀演出家コンクール2000年度の最優秀演出家に選ばれた方です。

 残念ながら彼等の作品は来週で観られない。五日までやってるフェスティバル、ずっと居たくなってしまった。その日の富山は久しぶりの寒さだそうです。みなさん完全に冬支度。薄着をしていった私は外を歩くのにブルブル震えてた!!

 前夜祭バーベキューに呼ばれてお腹一杯に!
 関係者も一杯でク・ナウカの宮城聡さん 、女優の美加理さん、山の手事情社の安田さん、能の観世栄夫さん、総合監督の鈴木忠志さん、その他若い演劇人がたくさん!
 ここのスバラシイところは、演出家コンクールに参加した若い劇団メンバーなどが イロイロな形でスタッフとして参加していること。そしてそれぞれが現場を持っているから決してサロンのようにはならない、いい「演劇空間」だと思います。
 お腹一杯になると、三々五々みなさん散らばっていく。どこに行くかと思ったら、大半の人はこれから稽古。ゲネプロ…。そう、明日は初日です。

 翌日、朝一番で、【蕎麦の郷】で行われた野外ページェント。演出家コンクール2001で優勝した関さんの作品!
 彼の劇団と、地元の吉江中学校の全国大会一位のブラスバンド演奏の村内パレード! 原田と、ク・ナウカの宮城さんと一緒に私もくっついて歩きました。朝から楽しい!
 この野外ページェントはその後あと二ケ所で行なわれ、関さんたちの出し物は場所によって違うらしい。つまり3パターンの芝居を作ったということ!! パレードで使った【自転車装置】という乗り物も可愛かった。

 シンポジウム 【21世紀の舞台芸術 地方発信の文化】に参加。東京で芝居を打っていくことのメリット・デメリット、地域での演劇でもっとできそうなこと等を考える。もっと地域を利用したワークショップの実現などもキンダーでも出来るかもしれないと原田と話し合った。

 会場を出て【新利賀山房】という劇場まで歩く。フェアリーを書いてくれた棚田君も劇団の仲間と今着いた!

 マニプール コーラス レパートリーシアター【マニプールの蘭の花】。普段は芝居を打つ劇団らしいが、今回は、インドの伝統芸能と現代のダンスなど組み合わせでショーアップされた舞台だった。全米ツアーなど行っている団体。 男性陣の動きと盛り上げ方は息をつかせない。 原田は佐世保の演出を考えはじめた。参考になる演出あり!みたい。

 続いて【スタジオ】でロシアのニコライ・ローシンの【ドン・ファン】を観る。主に山の手事情社の役者さんが出演。リアリズムの演劇として非常にオモシロイ! 山の手の男性俳優さんもいい! 突き放した演技の感覚がとても良く、感激した。
翌日朝一番で私は帰るつもりでいたが、もうひとつの中国の演出家のも観て帰ることにする。

 その日は初日パーティーで、たくさんの関係者とお客様が集った。ここで交わされる意見交換や情報交換の素晴らしさはいつもながら感心する。こういう空間がもっと一杯あってもいい。 「演劇」の世界の横のつながりがもっとあってもいい。

 利賀の月はまんまる!! まあ、きっと日本中の月がまんまるだったんだろうけど、視界の広いちころで見る月は違う。芝居と空気は関係ないように思うがそんなことはない。いい空気をすったあと観る芝居は感じるところも深くなる気がする。人間がイチバン体とかココロとかを素直にさせているときに観る芝居。まあ今日の「ドン・ファン」はどこで観ても良かったと思うけど。
 天竺の露天風呂とマッサージチェアは最高! 人が通るのも気にせず、うとうとしてしまった!

 翌日、朝から蕎麦の郷へ。5つの店と博物館と温泉がある。 
 中でも原田のお気に入りの【雪乃庄屋】へ。いわなの塩焼きと山菜合え、蕗味噌、盛り蕎麦、朝からビール!
 蕎麦博物館を観て、石うす挽き体験。蕎麦の郷温泉に貸し切りで入る(単に誰も他にいなかっただけ)。
 帰り道、コーヒーを飲みに入った店でおすすめの、豆腐の刺身と山菜天ぷらを頼んだら、またビール!
 原田が仕事で来ていたらこうはいかない。よかった!!!

 本日の芝居は【利賀山房】で【テーブルと椅子】という中国の演出家の芝居

 私の好きなク・ナウカの女優、美加理さんと、能の観世栄夫さんが出演していた。芝居というよりパフォーマンスぽかったが 美加理さんはやはり動きがいい。きれがある。そして何より身体が美しい。手、足も美しい。…私もがんばるぞ!っと妙な決心をして、皆さんにお別れを言い帰途につく。
 北陸自動車道の途中の26コのトンネルの名前覚えながら走った! 26コ全部言えるようになった! それよりセリフ覚えなきゃいけないんだけど! なんか脳味噌のしわが増えた気がするからいいか!

 藤岡での事故渋滞をうまくかわしながら帰宅した。
 5日までだからもうすぐ終わってしまうが、もし機会があれば是非観ていただきたい!!
 利賀フェスティバル2002。
 利賀事務所 0763-68-2356&2216



1/7 [佐世保オーディションワークショップ]

 前回の日記が8月の佐世保ワークショップのことで終わっていて、それじゃあいくらなんでも「記まぐれ」すぎるぜ…との声も聞こえますが、申し訳ありませんです。昔から日記は三日坊主で、小学校の時の日記が出て来て読んで見ると、きっちり三日ずつ6年間に渡って書いてあるという…、まことに私らしい貴重なものを見つけたと、ひとりで喜んでおりました。

 さて、仕方が無いのであらためて2002年1月より…ということで、今回はコンスタントに書けますように!! ホームページの神様にお祈りして始めたいと思います。

 今回も佐世保のワークショップのことから…。
 前回の8月と、そのあと10月に100名位を対象にした二回目のワークショップがあって、結局集まってくださったのは、340名近い方たち。そのうち今回のオーディションワークショップにいらしてくださったのは212名ということでした。
 基本的に、ワークショップに参加してくださって、本番の日程が合う方、そして何よりやる気のある方には参加していただく方針の今回の佐世保市制100周年記念ミュージカル。今回の「オーディション」はあくまでも、キャスティングのために、「歌・踊り・演技」を見せていただくというものでした。
 
 正月の4日から6日まで、三日間を6ブロックに分け、「小学生低学年」「小学生高学年2チーム」「中学生」「高校生以上の大人2チーム」の計6チームを審査させていただくものでした。
 初日は乗り日で、正月なので長崎便がとれず博多空港から佐世保に向かいました。やっぱり佐世保はチト距離がありますね。寄る年並(?)の私など行くだけでヘバってしまって…。いかんいかん。
 
 初日は小学生1チームのみ。可愛い元気な子供たちを審査して、夜の佐世保で地元のスタッフの方に美味しい「串揚げ」やさんに連れていってもらいました。東京では出ないような面白い揚げ物が一杯で、またこれが美味しい!! 機嫌よく二日目に突入!! しかし、自分で作ったスケジュールを恨んだのはこの日でした。3グループを審査することになっていたのですが、途中のインターバルを1時間しかとらなかったため、審査がずれ込むと休憩がとれない。まして、1グループをさらに3つに分けて「歌・踊り・演技」で観ていくので、スタッフは3時間の間に3回同じ説明と同じ実技をしなければならないのです。歌担当の白沢はひたすら「おおシャンゼリゼ」と「星に願いを」を歌いまくり、踊り担当の古木はひたすら振りうつしを繰り返し、演技担当の小林はひたすら「演技をする際の条件の説明」を3回繰り返して3時間が終わります。そしてまた30分と休まない内に次の人たちが来る…という…。
 ボランティァスタッフの方たちも大変です。なにせ200人以上の人のすべての写真をとり出席をとりそれぞれの部屋に送り込み資料を配るという…。
 私と原田は1時間の間に「演技・歌・踊り」の順でどんどん観ていくワケです。これを3回繰り返す…。
 やっていく内に部屋を移動する順番や経路・時間帯などが決まってきて、妙におかしかったりする…。
 「ホリプロスカウトキャラバン」とかの審査員も大変だろうなあ…なんて変な感心をしながら怒濤の二日目終わり。この日は以前にも連れていってもらった、防空ごうをお店にしちゃったユニークな飲み屋さんに連れていってもらいました。メニューがこれまた美味しいのです。でも防空ごうの一番奥で飲んでいると酔いが早く妙なテンションになります。やっぱ酸素が薄いのかしら…。

 さて、三日目は2グループ。最後の組にはBBSにいらっしゃるMiさんもいらしていたはずなのですが、とうとうご挨拶をせずに佐世保ワークショップは終わりました。山のような資料を整理しキャスティングその他を決定するのはもう少し先。現在市川森一さんが台本を執筆中。3月には大体の構成が決まるようです。それから、さだまさしさんにお願いしているテーマ曲もちゃくちゃくと進んでいるとか…。本番は来年の3月末。それまでにこの212人の人たちとどんなミュージカルが作れるのか…。みんな元気で、全員が参加してくれればいいなあ…と思います。

 それからボランティァスタッフが圧倒的に足りず、もしこれを読んでくださっている佐世保在住の方がいらっしゃいましたら是非、この素敵なミュージカルにスタッフとして参加してください。芝居にはいろんなジャンルのスタッフが必要で、あなたが出来ることが必ずあります。待ってます。(御希望の方はテレビ長崎に連絡してください)

 最終日は博多で一泊。疲れ切って妙にハイテンションの3人の娘たちと原田と5人で博多の屋台でおでんと焼き鳥とラーメン。日本酒のんだら全然寒く無かった。私たちが来る前日は雪が降ったといっていた九州。でも暖かい気持ちで佐世保ワークショップを終えました。

 翌日朝イチの飛行機で戻ってきた埼玉は………、寒かった〜〜〜〜〜!!!!!!!!