レパートリーシアターVol.23
新モノドラマ
【オダサク×ダザイ】
モノドラマの新しい試み

原作/織田作之助・太宰治
構成・演出/原田一樹


キンダースペースはこれまでに四十本を超えるモノドラマを作ってまいりました。

モノドラマとは、近代のわが国の小説家の短編作品を、一人の俳優によって一つの演劇作品として舞台に立体化する試みです。

俳優はここで、語り手、登場人物、そして作者が作品にこめた文学そのものを、三つながら体現します。

今回は、そのようにして作り上げてきたモノドラマの方法をもう一つ推し進め、十人の俳優によって、

織田作之助、太宰治、それぞれの作品を上演します。

の二人の作家は、昭和の戦前から戦中、敗戦直後という時代の元に、日本人であるということを称揚する小説を、

決して健康とはいえない身体と反比例するかのような強い創作エネルギーで、発表し続けた文学者です。

太宰は今年生誕百年を迎え、四年後に生まれた織田作之助は没後六十二年となる今年、その生の最後の瞬間まで、

血と闇と生活、その全てと格闘した作家の作品を数本。

その間からさしてくる強い光は、いま生きている我々自身の生のあり方を照射します。