ダザイ、オダサク2作堪能いたしました。
ダザイは、今までキンダーで観たものとは、違う何かを感じました。
中盤の2本のコミカルなテイストと最後の昭和初期ロマン的なテイスト。
一般的な太宰のイメージとは違うのかなと思いつつも、どちらも好感でした。
深町さんがとても良い味をだしていたと思います。
また、冒頭1本目の心中への道行き芝居では、瀬田さんの表情、
特に、語りが表情に触れたあとに、その表情を作る芝居に
うまいなあと、今更ながら感心いたしました。
若い人たちもそれぞれに特徴がでていて、面白かった。

オダサクのほうは、実はまったく読んだことがなくて、観ながら少し悩んだのですが
というのは、各場面は緊張感を湛えて面白いのだが、どうもうまく感情移入ができない。
お芝居は着々と進み、少うし違和感を感じながら観ていくと
4本目で、作家が主人公で現れ、おそらくは極めてモノドラマっぽい形で
物語が作家の目線から語られるに至り、ははあとやっと腑に落ちた気がしました。
この作家は、人間の様々な感情をちょっと突き放して表現するやと。
そうなると、これはまた人というものの少し複雑な感情やらがいろいろに描かれていて
縁の薄い許婚のお葬式や、癌の闘病や競馬場での興奮やら、様々に様々な心情が表れていたなあ・・と。
というところで、機会があればもっかい観たいところだけど、今回は時間がなく断念したことでした。