劇団キンダースペース第30回公演

野鴨
原作/イプセン
構成・演出/原田一樹

シアター(cai)提携公演

 イプセンの家庭劇が、百二十年という月日を経て今でも我々に迫ってくるのは、彼が家庭の崩壊を描きながら、そこに留まらず、我々人間というものの持つ根本的な矛盾、人間の作り上げたシステムの行き詰まりを明らかにしようとしている事によります。

 今、私たちは、いつ身近に起こるかも知れない犯罪、関係の崩壊、生存の危機に直面しています。イプセンは私たちに、私達が作り上げ、これまで正しいと信じてきた家庭と個人のあり方を、もう一度問い直すことを訴えているようにも思えるのです。




構成・演出/原田一樹