お客様のアンケートより

■ 実に良く出来た台本でした。原作をあそこまで処理されたことにまずシャポーです。つぎに演出が良かった。
2点の相乗効果でチェーホフの本質の一面がよく出ていました。その一つは涙を流す感動的な場面に笑いが入ることです。たとえば、プラトーノフにサーシャが話し、彼のアバンチュールを知る場面と、プラトーノフのピストル自殺し損ないの場面です。他の一つは未完ということです。これはチェーホフのもっとも大きな特徴の一つで、文章を例に比喩的に言えば、「〜です。」「〜だ。」という断定ではなく、「〜……。」となる、曖昧さ、非持続、非断定です。これは今回の台本によくでていました。さらなるご活躍を祈念しています。

■ 見終わった時に呆けてました。三角どころか、かなりの多角形、人間関係のラインで混乱しそうでしたが、それでもすっきりと理解できた自分にビックリ。それぞれの役も色濃くて、一週間考えつめないとまともな感想が出てきそうにないです。

■ 誇張でなく、日本で観たチェーホフで最も素晴らしい舞台でした。戯曲だけでなく短編や習作時代のコントまで含めたチェーホフの魅力が網羅されているうえに、これまでのチェーホフ演出史を無視することなく批評的に読み込んだところも「さすが!」と思いました。直接には表象されることのない当時のロシアの社会の「うねり」もひしひしと伝わってきて、舞台の外に世界が広がっていた点も素晴らしいと思いました。役者の方々も、皆さん本当に良かったです。これは、是非、レパートリーとして再演、再々演して欲しい作品です!

■ 大変すばらしかったです。個々の個性の表現、タイミング、演劇の要素がぎっしりつまった舞台だったと思います。

■ 大変大変すばらしかった。こんなにチェーホフを理解……つまり人間理解を訴え、表した劇は滅多にないと思った。役者全員上手く、見ごたえありました。

■ チェーホフと聞き難しいものかと思いましたが、段々と分かってきたような気がします。大変核心に触れた演劇かと思います。感動しました。

■ 作品にはまってしまった感じがしました。人間模様をよく表現していると思いました。これからも一作一作の深みを出してください。

■ プラトーノフと、それに関わる人々のさまざまな人間関係が悲しくもあり少し面白くもあり、すごく人間らしいといえば人間らしいと思いました。プラトーノフは自分に素直に生きすぎたのかもしれませんね! ぼくはそんなプラトーノフを少しうらやましく思いました。

■ 主役のプラトーノフがさまざまな演技が出来、はまっていた。老人(元軍人)の存在感抜群! また観たいです。

■ とてもむずかしい。人間関係、会話にひそむ本心、カオスとでもいうか。本当のことをつかむために、セリフの一部始終をもう一度繰り返してみれば、この時代に生きた人々の苦悩が見えてくるかも知れない。

■ プラトーノフの悲劇ではなくて喜劇として演じきれていたのがとても魅力的でした。それからソフィアの狂気と、奥様は全編通して良かった。坊っちゃんの情けなさにも説得力がありました。ただ一幕の全員の場面でそれぞれの人物の根底にある、幸せであろうとするエネルギーがもっとほとばしっていた方が良かったと思いました。

■ すばらしかったです。「答え」や「メッセージ」を強要しない。放り出しているように感じられながら、しっかりそれぞれの存在は何かに握られている。演劇の快感に久しぶりに浸ることが出来ました。舞台上の「人」のそれぞれの動きが絶妙でした。

■ 初めて観たチェーホフは、意外にもドキドキする程面白かったです。

■ チェーホフの作品は初めて観ましたが、話が進むにつれ、それぞれの人物の関係と、そのキャラクターの独自な部分が見られてとても楽しめました。喜劇と呼ぶには運命的、悲劇と呼ぶには人間的なプラトーノフ。何とも面白い劇であることか。

■ 3月2日(土)劇団キンダースペース第28回公演『プラトーノフ』を拝見しました。
この作品はチェーホフの処女戯曲で、未完でありながらまともに上演すると8時間を越える
長編だという事を聞いていたので、物語の展開についていけるだろうか?作品に込められて
いるものを見極める事ができるだろうか、と観る前から妙に緊張してしまいました。
カタカナ名前がイマイチ苦手な私はパンフレットに書かれた役名を見ただけでもクラクラし
ちゃったりして…。とほほほほ。
しかしながらそんな心配もどこへやら、いざ始まってしまえばすーっと舞台に惹き込まれて
おりました。これぞ原田マジック!今まで観たチェーホフのどの作品よりも(と言っても、
お恥かしながらそんなに観ているわけでもありませんが…)登場人物1人1人がきちんと生き
ていました。チェーホフが〈喜劇〉である事を初めて実感できたように思います。
キンダースペースさんの舞台を観ると必ず原作を読んでみたい、もっとこの作品について掘
り下げてみたい、と思います。今回もやはりまた同じ気持ちになりました。原作を読んで、
プラトーノフの人間力に迫りたいです。またチェーホフの生きた時代のロシアは一体どんな
状況であったかという事にも、今回初めて興味を持ちました。ぼんやりしていないで鉄は熱
い内に打たなければいけません。