「モノドラマ」Cプログラム

【アンケートより】

「押絵と旅する男」
緊張感、恐怖、色々なものが全身で感じられました。ピンと張った糸のような感じが本当に苦しかったです。
「虔十郎公園林」
美しい青々とした緑でした。
「藤十郎の恋」
今回の3作品の中で一番鮮やかに情景が見えました。とても素直にストレスなく世界の中に入ることが出来て、心地よかったです。時間がとても短く感じられ、もっと観ていたいと思いました。
世界を作ること、無いものを有るものにすること、その大切さと素晴らしさを思い知らされた日でした。

瀬田さんの演技・語りに引き込まれ、胸がドキドキ、背筋に戦慄のようなものが……
終わった瞬間……我にかえった、という感じでした。

初めてのモノドラマ、とても面白かったです。どのお話も切なさがあり、私は「押絵を旅する男」のお話が好きでした。ファンタジーで、絵の中に入っちゃうなんて! とドキドキしました。

●語っている中で空間を想像させてくれるのがとても面白かったです。3人とも表情豊かですごかったです!

●「押絵と旅する男」での奇妙な世界。「虔十公園林」でのスギの木々。「藤十郎の恋」での静の世界。すべてがそこに見えました。

●「押絵と旅する男」「藤十郎の恋」が大変面白く、どきりとした場面が多かったです。楽しめました。藤十郎の芸にうちこむ妄執がチラチラと炎のように見えました。

●「藤十郎の恋」の絹行灯の部屋の演技はなかなか心に迫るものがありました。

●また何の偶然か、ツボにはまった3作品でした。
最初が、人形に恋する男。しかも八百屋お七。今やってる話ピッタリ。
二番目。全ての幸いをかけていのる賢治は、この前までやってたし。
最後、命がけの恋。しかも、、、
このスタイルの上演は、中高生に見せてあげたいと思いました。絶対、読書欲が沸くとおもうんだよね。

「押絵と旅する男」の最後のあたりから、背筋がぞっとした気持ちになりました。怖かったです!
 「虔十公園林」聞きやすい話でした。宮沢賢治の作品で初めて聞いたので新鮮でした。
 「藤十郎の恋」瀬田さんの表情が豊かで、何人もそこに人がいるようでした!


【金澤辰典さんブログ plenty-of-grit より】

キンダースペースさんのモノドラマは面白いですね
あ、モノドラマの説明を。
ざっくり言うと近代日本のおもに短編小説を俳優が1人で立体化するものです。
落語のスタイルを実際に動いて魅せて聞かせてって言うとわかりやすいかもしれませんね!
で、特筆しますと瀬田さんがぶっちぎりでした!昔、ラジオドラマで聞いてた「陰陽師」みたいで、鳥肌がたち、食い入るように観てました。
圧力かかってたらすみませんでした(\Д`)
で、このモノドラマは何が勉強になるかというと
語りべが物語の中でどの立ち位置にいるのか
(例えば、語りべ目線で見たものを観客に伝えるか、実際に巻き込まれて物語を勧めるか等)
台詞を相手に言われたものとしてリアクションで表現するのか、相手に発信して成立させるのか?
時系列、場所、空間をどれだけ明確に出来るか?
そして世界観を作り空気を動かし、観客を巻き込めるか?
選択ルートが沢山あって難しいけど楽しいんですよね
このモノドラマは気持ちだけじゃ出来なくて、所作、登場人物達の距離感、空間把握、話術、リアクション全部が詰まって世界観を築いて行くんだな〜と
あとね、旨い人がやるとちゃんと空気が動いて、その人を中心に渦巻いて行くのがわかりますね。
ナレーションや語りをやりたい、モノローグを勉強するには最高のものかもしれません。
自分も今回改めて観てナレーションや語りで足りないもののヒントを貰えたように感じました。


山名リンパケア 山名さんより facebookに投稿】

・今週は10時からリンパケアスクール講義、午後からはリンパケアサロンの運営、でも、19:30分からは劇団キンダースペースのモノドラマ観劇(3つのプログラムを9人が演じます)があるので楽しく忙しいワクワクした1週間です。
昨夜はcプログラムが上演され、看板女優でもある瀬田ひろ美さんが菊池寛作 藤十郎の恋を演じました。素晴らしい語り部でその表情からも物語にぐんぐん惹きつけられました。また、森下高志さんが江戸川乱歩の不思議な世界を説得ある語りで熱演、若手の秋元麻衣子さんは宮沢賢治の世界をメルヘンチックに心温まる語りで演じてくれました。なんだかわたしは劇団の宣伝活動をしているみたいですが、西川口にこんな素敵な劇団アトリエがあることが凄く嬉しくて、ついつい・・・。(今日も西村剛市君や平野雄一郎君、西川ゆき枝さんらがBプログラムを演じるので、観に行っちゃおうかな。だって皆、頑張っているのですもの。)
そして、毎日が幸せな反面、新聞やニュースを見ながら、日本の政治や原発問題を考え出すと、私も益々身を引きしめて責任を持って今後の人生を歩まねば・・・と、眠れなくなるのです。


なぐもゆきさんブログ 100%JUICE BLEND より

 さて、いつも恒例の月末月初の毎月の繁忙時。
 ぽかっと取れた6月末の休日に劇団キンダースペースの舞台観てきました。

 今回のキンダーの舞台は「モノドラマ」。
 役者さんの一人芝居と言ったらいいのかな。

 瀬田ひろ美さん演じる「藤十郎の恋」。
 うーーーん。うなってしまったね。
 観ているうちに、目の前にいる役者が女なのか男なのか、だんだんわからなくなってきて、時間の流れをすっかり坂田藤十郎さんに盗られてしまった感じ。

 この芝居、セリフや感情の込め方もさることながら、立ち居振る舞い、藤十郎の指先にいたるまでの所作。観客との距離、自分の中の何人かの人物との阿吽の呼吸。一から十まですべてが自分自身との闘いのような舞台だなぁ、と感じた。
 もちろんどんな芝居だってきっと自分との闘いには違いないとは思うのだけど、一味違う「モノドラマ」。
 藤十郎の世界に観る側を引きずり込めるか、あるいは現実に流れる時間に空間を破られてしまうか、すなわち、観客の心を一人の役者が支配出来るか否か、ちょっとの油断もできない真剣勝負なのだろう。

 それにしても瀬田さんは、芸の鬼と言われる藤十郎という男の、心の底の心情をあらわにしない徹底した役者ぶりを演じていて、瀬田ひろ美という女優が鏡に映る自身の姿に「坂田藤十郎」という役者の魂を塗り込めているようでもあり、鏡に重なる姿が狭い空間を広げていくような感覚になった。

 このような一人芝居の舞台が成功するかどうかは、テクニックなどでははかれない、時間や空間を超越できるキーを、演じる役者がその手の中に持っているかどうかただそれだけなのかもしれないな。