レパートリーシアターVol.31
『夢のあとさき』
落語 夢の酒、天狗裁き 芝浜より

構成・脚本・演出/坂上朋彦


「夢の酒」 
夫が居間で、ニタニタ笑いながら転寝をしている。それを見た女房がどんな夢を見ているのか気になり、夫を起こす。夫が言うには、ひどいにわか雨に遭い、軒下で雨宿りをしていたら。中からこの世の者とは思えない程の美しい女性が現れ、家に上がって休んでいって下さいと言われた……と。それを聞いた女房は……。

・「天狗裁き」 
不精な夫が女房に言われる。「ゴロゴロばかりしてないで、何か商売のことでも考えたら! 隣の主人はいい夢を見て、商売大繁盛だよ。だから、あんたも何かいい夢をお見よ!」強引に寝かされた夫は、ウトウトとまどろむ。そこで女房が、夫を起こしどんな夢を見たんだいと聞く。夫は見てないと言い、女房は見たに決まってるという。夫婦喧嘩になり、近所のものや、大家、果ては奉行や天狗までが仲裁に入るが……。

・「芝浜」 
酒ばかり飲んで怠けている夫に女房は、仕事に行ってくれと泣きつく。しぶしぶ夫は、仕事に出かけるが、その道中で皮の財布を拾う。その中には五十両という大金が入っていた。夫は仕事に行くのを止め、また家で酒を飲みだす。翌朝、再び女房に仕事に行ってくれと言われる。夫は、昨日拾った五十両があるんだからもう働く必要はないと言うと、夢でもみたんだろうと女房……。夫は現実の生活を突きつけられる。