レパートリーシアターVol.32
女優たちによる、夏のひと夜のミステリー

『キンダースペースのモノドラマ』
構成・演出/原田一樹・三枝竜・中村智也


Aプログラムアンケートより

・演出がそれぞれ違うということもあり、衣裳、舞台の使い方、表現もそれぞれの味が出ており、見ていて楽しかったです。

・三つのお話はどれもあとに残るようなストーリーで、聞きごたえがあってよかったです。

・素晴らしかった。特に『黄泉から』。難しい作をよくぞと、感動です。モノドラマ、また来たいです。

・『子供役者の死』幼い、しかし女を愛した男の心理が、よく表現されていたと思います。
 照明、音響、舞台も、よく物語の背景を浮き立たせてくれていたと思います。

・作品のチョイス、舞台として仕上げていく工夫、とても満足しました。

・どの作品も情感が伝わってきて、集中して観られました。

・『子供役者の死』最後の最後で、タイトルの意味を理解しました。
 『鬼火』びっくりしました。まさかのラストで、すごく面白かったです。
 『黄泉から』ラストの一行で、ぶわっと成りました。涙が…!   

・『鬼火』集金人の暢気な態度と、女の切迫した生活感がよく表現できていました。

 『黄泉から』男、女の切替は素晴らしい!

Bプログラム アンケートより

・難しい短篇揃いで、感銘しました。吉屋信子は、大好きな作家でしたので、ほとんど読破しました。
 ほんとうに一生懸命演じられていて、皆それぞれ個性豊かで楽しみにしています。

・『誰かが私に似ている』は、見ている私でさえもが、どこかで経験し、経験するかもしれない心境になり、演者自身の体験であるような錯覚を覚えました。

・スリル満点で拝見しておりました。『誰かが私に似ている』他の誰かになってみたい、という願望も、少なからずある、と思いました。

・お芝居が始まったら、すぐにその世界に引き込まれました。こんな近くで観たのは初めてだったので、その迫力に鳥肌が立ちました。

・モノドラマは初めて観ました。語りのある芝居は好きですが、語りだけのものは苦手なので、どうかなあ、と思っていましたが、それぞれの世界観がはっきりしていて良かったです。

・とても面白かった〜。一人芝居なのに、いろんな人達や風景が見えてきました。
 最近演劇は見ていませんでしたが、やっぱりいいものですね。また是非、見てみたいものです。引き込まれました。

・吸い込まれる気がして、まばたきが出来ませんでした。明日から、頑張れる気がします。

・以前インターネットで劇団のことを知っていたのですが、チラシを頂いて、やっと来るきっかけを掴みました。
 また来たいと思います。


facebook感想より

■Mさん
拝見しました。
見るたびに「あっ!」
という瞬間に遭遇するこの「モノドラマ」という演劇形態。

この猛暑の幕開けに相応しい心の奥に刺さるようなミステリー。
動く装置も、暴力的な音響も、リアルな映像もありません。
自身の想像力に振り回される、という不思議な体験ができます。

鳥肌、って腕の、手首のほうから肩に向かって電気のように走るんだ。なんてことも再発見できます(笑)
怖い話嫌いな私が何故か爽快な余韻を持って劇場を出ることができました。


■Kさん
見たのはAプログラム
今回はみな、女性演者による男と女の物語。

演者に手が届く程の客席のど真ん中に陣取ったものだから演者と真正面から見つめ合うことになってしまった。
30分間、息をつめて観て、そしてクライマックスに演者と向き合うのだから、自分が試されているよう。

相変わらず緊張感のある、そして面白い舞台でした。

西川ゆき依さんによる「子供役者の死」
小川恵子さんによる「鬼火」
大桑茜さんによる「黄泉から」

それぞれ面白いのですが、特には、やはり大桑さん。
いつも女性らしい演技の大桑さんが、今回はボーイッシュ! 男装の麗人といった趣は初めて見るので新鮮。
その姿で、モノドラマとしては当然ながら、すっと別の役柄の女性を見せるが何とも言えない。
そして、手を差し伸べたラストのシーンは、本当にぞくっと来ました。

この「ぞくっ」は実際に観ないと、文字では伝えられないのです。