レパートリーシアターVol.33『浮きつ沈みつ』
落語 鰍沢・転宅・紙入れ・お直し
構成・脚本・演出/坂上朋彦

アンケートより

・とても面白かったです。みんなの熱演に感動しました。つなぎ方に興味深々。場面毎に演ずる人が同じ役なのか、変わったのか、不明なところも面白かった。

・とても楽しめました。また違う作品も観てみたいと思います。

・衣裳が艶やかで綺麗でした。目の前で展開されるので、真に迫った演技が良かったです。

ストーリーがどんどん広がっていき、楽しめました。

・酒は間違いの元ですね。酔っ払う芝居、良かったです。ほんのりとした面白さと人情噺、とても良かったです。

・秋の季節にふさわしい、心にしみる舞台で、面白く拝見しました。

・とても楽しく観られました。皆さんの衣裳もお綺麗でステキでした。山小屋でのシーン、いろりのセットと、照明との組み合わせがとても分かりやすく、本当に暖かくなっているような印象を受けました。舞台の使い方、(裏口と、入口などの使い分け)が、とても参考になりました。花魁さん、とてもお綺麗でした。

・落語が題材となる作品を拝見させて頂くのは今日が始めてでした。よくわからない単語が少しありましたが、楽しませて頂きました。これを機に落語にも触れてみようかと思いました。

・このような昔の話などのお芝居をあまり観たことがなかったので、とても新鮮でした。囲炉裏の照明の使い方なども工夫が凝らしており、裏も表も見ていて楽しかったです。



ブログより

 劇団キンダースペース。いつも質の高い芝居を見せてくれる集団だ。

 今回は構成・脚本・演出は坂上朋彦さんです。

 題材は落語から四本の作品「鰍沢」「転宅」「紙入れ」「お直し」を取り上げ、9人の役者が江戸に暮らす市井の人々の日常を描く。

 私は11月1日の19時半の回を観たのだが、全く文句のつけようのない素晴らしい出来だったと思う。

 脚本がいい。
 これは4つの落語をひとつの物語に再構成し、演劇仕立てにしているため、笑いだけ強調されることなく、恋、出会い、別れ、嫉妬、裏切り、そして死。あらゆる感情が交錯している。構成も申し分ない。


 演出がいい。
 現代に生きている私たちが舞台空間で、「それを観る」ということ。

 それは非日常的空間で、実際に生きていたであろう人々の押し隠していた本音の世界があらわになっていくさま。「それを演じる」ということ。
 この交錯をある程度観客におまかせした演出だった。押し付けがましくないのがいい。大人の演出だ。

 そして役者がいい。
 こんなこといっては失礼だが、西川口駅西口という場所に似つかわしくないエクセレントな役者が揃っていた。

 特に主演の大桑茜さん。演技だとわかっていても引きづり込まれる、この魅力。プロ中のプロの本領をみました。
 7月のモノドラマのときとは全く違う役をそれぞれの魅力ある人物に感じさせる。そこの部分はまさしく役者の力量によるところだと私は思う。
 
 今後もキンダースペースに注目していこうと思う。