構成・演出/原田一樹
六月 六人の女優による 六つのモノドラマ

モノドラマとは……
 舞台には、ただ一人の俳優。小説をその形のまま演じ、舞台に立ち上げる試みです。

今回、初の試みとして……
 劇団キンダースペース・劇団東演のそれぞれ三人の女優が、六つの演目を上演。

劇場も……
 それぞれの拠点、西川口アトリエと東演パラータ。いわば、ホーム&アウェー。

そこに描かれるのは……
 私たちの祈り、私たちの心、私たちの後悔、私たちの哀しみ。私たちの強さと弱さ。
 それぞれの作品からの、私たちへのメッセージ。




『役者たちの静かな“迫力”』 
熊本県立劇場オンステージシアター「モノドラマ」 2004年熊本日日新聞掲載記事より

開演数分前。普通だと上がるはずの緞帳が背中側に下りていく。県立劇場の演劇ホール舞台上に特設された客席に座っていると、それだけで異空間に誘われた。昨年八月に続き同劇場で開かれた劇団キンダースペース(原田一樹代表)の公演「モノドラマ」。森鴎外の「高瀬舟」や菊池寛の「藤十郎の恋」など日本人作家の小説六作品を役者たちが一人芝居風に見せる舞台は、静かな“迫力”で観客席に迫ってきた。見慣れた芝居と違い、一人の役者が小説を語りながら物語は進む。ラジオドラマが舞台上で一人で演じられる感じだ。セットや音響、照明といった演出効果は最小限。話術と雰囲気で、小説の世界を広げさせる役者たちの力量はさすがだった。熊本ではお目にかかれない種類の演劇を提供してくれた意義は大きい。演劇ホールの舞台上に小演劇空間をつくった県立劇場の取り組みも頼もしい。この「特設舞台で熊本の劇団の芝居を見てみたい」。そんな衝動に駆られながら会場を後にした