創立30周年記念公演第三弾 レパートリーシアターVol.36
別役実フェティバル参加作品

『赤い鳥の居る風景』
作/別役実
演出/原田一樹


24日19時
※不条理というものなのでしょうか・
重い現実が身にしみました。
別役実の世界をうまく表現できていたと思います。
ありがとうございました。(49才 男性)

※すごく色々なことを考えさせられました。
最後の終わり方がすごく綺麗で、鳥肌が立ちました。
役者さん一人一人の演技が細かく、特に目が見えない人をやるのはすごく大変だったと思います。(19才 女性)

25日15時
※「姉と弟」、「町の人々」、「夫婦」、「得体の知れない人々」等、
その後の別役作品のモチーフとなったシチュエーションが散りばめられていた
(「電柱」はなかったが……)
フェスティバルで上演するのにはふさわしい作品だったのだろう。
お疲れ様でした。(62才 男性)

※人の善意というものは、自分(他人)に優しい、自分に酔うことなのかもしれないと思います。(女性)

※葬儀から始まる構成がおもしろかった。
高利貸しの方の不気味な感じが観終わった後にも残った。 女性)

25日19時
※弟の苦しみが理解できすぎて苦しかったです。
やらなきゃいけないし、やるとも言ったのに、できない。やめてしまう。
周囲から見ればイライラして、何だこいつと思われますがそれでも心からやろうと思えず、
先延ばしにして、別の事がやりたくなる。
「僕はもうだめだ」と言ったのはそれでもできない自分が嫌で、苦しくて、本当にダメだからだと思いました。
心が大人になれていないからなんですかね……。 26才 男性)

※作品が好きで観劇に来ました。拝見できてよかったです。
ダンスの手のつなぎ方が交互に入り組んでいるのが、何かちょっと普通でない、
という意味があるのかな、と思いました。
何とも印象に残るダンスでした。  

26日12時
※人生をしっかり生きて行こうとする姿に感動しました。(14才)

26日15時
※俳優さん、装置、音楽も、演出はもちろん、皆さん全力投球だけでなく、
それがとっても素敵、素敵、魅力的でした。
一樹さんのリアリズム。お陰様で、もう一度別役実を考えてみるいい契機になったと思います。
ありがとうございました(女性)

※別役実の不条理劇の中心へ向かって観客を引きずり込んでいく演出、演技力や音響、照明とも立派の一言。
4〜5年前(大震災の少し前だったか)に他の劇団で観た「マッチ売りの少女」は同じころの別役作品でした。(岸田戯曲賞受賞)
17才頃観た別役作品を契機に、演劇が趣味となって37年ですがこれからもこういう企画を期待しています。(54才 男性)

※「赤い鳥」とは弟の事なのか、ひょっこり現れた旅人の事なのか。解釈がどちらも成立しそうな気がします。
お金を貸すことでしか人間関係を築けない寂しい人生だった旅人だと分かってきました。
一番芯がしっかりしているのは姉だとつくづく思いました。(43才 女性)

※色とシルエットと情景がとても美しいと思いました。
傘が印象的でしたね。   


メールより

別役を見るときに、いつも感じるよそよそしさやよそ行き感がまるでなく
ギラギラとして、血と汗が匂うような現実感が横溢していました。さすが
は原田さん。これまでの別役作品と全く違う切口を感じてしまいました。

お招き下さり,ありがとうございます.おかげで,蒸し暑い不快な午後を,快適に,とくに知的に,過ごすことができました.
別役の芝居は,本人も認めているように,見方によっては,金儲けにならない退屈な芝居です.しかし,退屈なのは台本ではなく,ボタンを掛け違えた演出によるものだと思っています.
この点,原田さんは,自分の土俵に別役を閉じ込め,最後には原田流で押し切りました.誠に痛快で,みごとでした.今回の公演が成功裏に幕を閉じることを祈念しています.