劇団キンダースペース レパートリーシアターVol.42
『紙屋悦子の青春』
作/松田正隆 演出/原田一樹

 
「紙屋悦子の青春」は松田正隆氏のごく初期の代表作で、映画化され、黒木和雄監督の遺作となった作品です。今から十数年前、戦後の節目にはブームと言われるほど様々な団体によって上演されました。
 戦闘の場面が一切描かれない戦争を主題とする作品です。
 いまキンダースペースがこの作品を取り上げるのは、この作品の構造が、つまり、ここにないものをいかに描き出すかという手法が優れて演劇的であり、それだけを考えてもこの作品が普遍的な秀作であると考えるからです。
 普遍性のある作品は繰り返し上演されてこそ、演劇としての価値が高まっていくと考えるからです。

演出/原田一樹