劇団キンダースペース ワークショップ 2009
キンダースペース主宰・演出家/原田一樹 キンダースペース俳優・スタッフ が直接指導 
好評のワークショップです!

■連続ワークショップ2009■

 リアリズム演劇において俳優はどのようにその演技の創造性を持つべきなのでしょうか? そもそも一つの演劇における演技というものは創造的な行為なのでしょうか?
 演劇といったものが芸術創造である以上、俳優の演技といったものも例えば詩人が詩を書き、画家が絵を描き、音楽家が曲を書くのと変わらない筈です。ところが俳優の場合、役を演じるということを戯曲なり演出家なりに求められた一つの答えを提出するという風に考えがちで、実はこのことが俳優の真の創造性を奪っていることにあまり気が付きません。
もちろんこれと逆にリアリティーを無視し、奇妙な解釈を持ち込むのが演技の独創性だと思うのも大間違いで、これは想像力の欠如によるただの思いつきにすぎません。
 「演技」とはその人物の生を生きることです。同時にそのことが、舞台に創りあげられるフィクションの補完や説明のためにあるのでなく、その生き方自体が試される場として仕組むことです。
勿論、これは簡単なことではありません。一般的に優れた俳優は「役」といったものをつかもうとする時、その人物を人間的なあるいは社会的な関係性の中に捉えようとします。ただその人物の感情をなぞったり、性格やキャラクターを付与して役を捉えたとは考えません。そういった仕方では自らの想像力の範囲を超える何かは得られないからです。しかし、我々が自らの経験と想像力の範囲を超えて役という物を作り上げるなどということが可能なのでしょうか。実は、役が自分を超えた時に俳優は初めて舞台に立つ実感を得るもので、それこそが俳優の創造性なのです。
絵描きにしても文学者にしても、その過程に何の葛藤も無くまたその出来上がった作品が我々の感性を脅かし試すものとして存在していなければ価値はありません。何をどう描くか初めから全てわかっていてその通りに仕上げる画家の絵は、作品ではなくイラストです。全ての優れた芸術は、不可能との戦いとしてあるものです。俳優にとっての想像性の鍵もここにあります。そして、優れた舞台は必ずそのような俳優の存在を前提としています。俳優は戯曲と同等の創造者として立ち、演技というものを組み立てるのです。これはどのように可能なのでしょうか? それを演技の側と戯曲の側、双方から探って行こうとするのが連続ワークショップです。様々な戯曲の一部をテーマに沿ってテキストとして使用します。ギリシャ悲劇、シェイクスピア、近代劇、現代劇。それぞれにおけるドラマの成立の仕方、演技の方向、俳優としての立ち方をテキストの実演を通して探ります。12年目の今年は、以下のテーマを設定しました。最終日には小さな発表を行ないます。キンダースペースがこれまで全国各地で行なってきたワークショップ、また様々な俳優訓練のエクササイズも紹介します。募集は各回ごと。基本的には一年以上の演技経験者を対象とします。これまでのキンダースペースの連続ワークショップ未参加の方も受講可能です。
一年以上の演技、演出、舞台経験者を対象

時間:19:00〜22:00
費用:21,000
定員:12名

Vol.38 「人という迷宮」

6月30日(火)・7月1日(水)・3日(金)・4日(土)・7日(火)・8日(水)・10日(金)・11日(土) (8日間)

「演劇に、私などというものはない。永遠に私を求める行為それ自体が演劇行為である」。つまり、私たちは私たち自身を最も知りません。この分からないという前提。その上で自分というものを求めていく葛藤。近代劇にはこのドラマが多く見られます。自分という迷宮を不断に探求し、その奥底まで降りていく、その事自体が、舞台の上でドラマとして成立するということです。これを戯曲の側から見ると、例えばイプセンや、ストリントベリ、オニールといった近代劇の先駆者は、存在の不安や揺らぎといったものを主題にして、個人というものにたどり着こうとしました。作家の対面した「迷宮」。自分に分け入っていく行為と、役を捉えていく行為、その二つを重ねつつ、いくつかの作品にあたっていきます。

Vol.39  「愛という迷宮」

11月4日(水)・5日(木)・7日(土)・8日(日)・10日(火)・11日(水)・13日(金)・14日(土) (8日間)

「愛」とは他者に向けた行為です。人は何故、他者を愛するなどという試みを繰り返し、またそこに大きな意味と意義を感じるのでしょう。ここでいう他者とは恋人や家族の事ばかりではありません。集団、社会、国。あるいは幻想や信条、信仰、思想。時にそれが無くては生きてはいられないと思う全てのことです。演劇の場合これを描くということは、この全てとのすれ違い、軋轢を描くということに他なりません。このことが、個の存在を逆に照らし出すのです。これは、俳優が役を関係性において捉えるということと重なります。優れたリアリズム演劇の多くはそこに描かれた世界自体が、現代の社会に突きつける何かを提示します。このフィクションの中に俳優はどのように生きればよいのでしょうか。俳優が立ち向かうべき不可能性といったものを核にして、戯曲にあたっていきます。

2009年度の 連続ワークショップVol.38、連続ワークショップ39、モノドラマワークショップ、全てにご参加の方は、参加費総額から5,000円割引きさせていただきます。
申し込み方
希望するワークショップを明記の上、メールでお送りください。お問い合わせも受付けます。
郵便番号・住所・氏名・電話番号・FAX番号・年齢・性別・職業・所属・
演劇経験年数 (なし  1年未満  1年以上)
実施会場:劇団キンダースペースアトリエ
    電話 048-255-4342
    〒332-0021 川口市西川口1-23-3 マンションヒルマ1F
申し込み・問い合わせ:劇団キンダースペースオフィス
    電話 048-252-0551
※申し込み用紙も用意してございます。御請求ください。
※定員になり次第締め切ります。お早めに御応募ください。
※ワークショップに関して劇団の事情によりやむをえず日程が変更になる場合がありますのでご了承ください。その場合応募者には早めに御連絡いたします。