劇団キンダースペース 連続ワークショップ 2016

キンダースペース主宰・演出家/原田一樹 キンダースペース俳優・スタッフ が直接指導 
好評のワークショップです!

舞台芸術としての「演劇」には、いくつかの要素があります。

一つは聴覚に訴える要素。演劇は時間的な芸術であり。音楽や音響効果とは切り離して考えられません。照明も変化するという性質においてはこの時間芸術の側面の一つに加えられます。もう一つは視覚。演劇は同時に空間的な芸術であり、舞台美術と呼ばれる装置は空間に意味を与えます。もちろんこれも照明によって目に見える存在となります。

そしてもう一つ、これら全ての中心にあるのが俳優の存在です。

上に挙げた要素の一切は、俳優の存在を補完、あるいは鼓舞するものとして働いていると言って差し支えはないでしょう。

もちろん「俳優」は、ただそこにいるわけではありません。それらの演出的効果の焦点に位置して、「演劇」の舞台芸術ではないもう一方の核、すなわち「文学」である「戯曲」をそこに立ち上げる存在として、フィクションを生きるのです。

いってみれば、「俳優」は、舞台上であらゆる演劇的要素の交差する点として存在しているともいえるでしょう。

観客は「俳優」を通して、聞いたり、触れたり、感じたりして、戯曲世界の「意味」を感得していきます。いい舞台が「感動」を呼ぶというのは、すなわち、観客である私たちが「俳優」の生き方よって心を動かされたということに他なりません。

一方で、これらの事がどれだけ一人一人の俳優の中で意識され、「演技」というものが組み立てられているのか。この感性を養う日常的な考察や学習はどれだけ行われているのかと問われれば、大変、心もとないというのが正直なところではないでしょうか? 

戯曲の台詞を、ただ順番に書かれている記憶すべき言葉の羅列と考え、そこに言葉尻からとらえた感情を付与して稽古が終わり、本番を迎える。そのような俳優にとっては、おそらく「戯曲」は「文学」ではなく、「演劇」取扱説明書のようなものなのだと思います。

では私たちは、どのように「戯曲」というものを捉え、また、どのように感性を開いて舞台に立つべきなのでしょうか? 

キンダースペースではこれらの課題について、ともに考え、ともに研鑽する場としていくつかの場を設定してまいりました。

今回、51回目、52回目を迎える連続ワークショップでは、これまで通り、「俳優」が、その「俳優」としての立場から「戯曲」を読み解き、短い場面の繰り返しの稽古によって、「戯曲」の文学性に迫り、それを感得する方法を、毎回、テキストとする戯曲のテーマに沿って探っていきます。

創立から31年を迎え、あらたなスタートを期す私たちとともに、演劇の深奥への旅に出てみませんか。

※募集は各回ごと。基本、一年以上の舞台経験者を対象としておりますが、ご相談に応じます。


Vol.51イアーゴ・悪の哲学
6月14日(火)・15日(水)・17日(金)・18日(土)・21日(火)・22日(水)・24日(金)・25日(土)
時間:19:00〜22:00
費用:21,000円
定員:12名

「悪」を描いた戯曲は枚挙に暇がありません。人は、いかに「悪」を「悪」と知りつつ、正当性を付与し、行動の基軸としていくのか。表題の人物の登場するシェークスピア作品に限らず、現代作家からギリシャ悲劇までテキストを求め、人が悪に傾く瞬間、どのような自覚と無自覚があるか、等、探っていきます。


Vol.52「フェードル・恋愛による破壊」
10月18日(火)・19日(水)・21日(金)・22日(土)・25日(火)・26日(水)・28日(金)・29日(土)
時間:19:00〜22:00
費用:21,000円
定員:12名

舞台作品からワイドショーの不倫報道、モーツァルトのオペラまで「恋愛」は様々な局面でいつも耳目の的になります。恋愛のもたらす崩壊の極北であるラシーヌの表題作から、南米作家、近松まで広くテキストを求め、男女の恋愛の違い、恋愛が何をもたらすか、などを探っていきます。ラシーヌの「フェードル」だけに焦点を合わせたものではありません。
 
2016年度の 連続ワークショップVol.51、連続ワークショップVol.52、モノドラマワークショップ2016、全てにご参加の方は、参加費総額から5,000円割引きさせていただきます。

申し込み方
希望するワークショップを明記の上、メールでお送りください。お問い合わせも受付けます。
郵便番号・住所・氏名・電話番号・FAX番号・年齢・性別・職業・所属・
演劇経験年数 (なし  1年未満  1年以上)
実施会場:劇団キンダースペースアトリエ
    電話 048-255-4342
    〒332-0021 川口市西川口1-23-3 マンションヒルマ1F
申し込み・問い合わせ:劇団キンダースペースオフィス
    電話 048-252-0551
※申し込み用紙も用意してございます。御請求ください。
※定員になり次第締め切ります。お早めに御応募ください。
※ワークショップに関して劇団の事情によりやむをえず日程が変更になる場合がありますのでご了承ください。その場合応募者には早めに御連絡いたします。