役者の裏街道 柿森ななこさんのブログより

『キンダースペース連続WS 劇的をめぐって に参加して……』

三年振り?二度目のワークショップにお邪魔してます
ずっと参加したくてウズウズしてましたが、
予定が合わず
今回、ようやく念願叶って!!……
のはずが、
本番終了直後のけだるさが抜けないまま
ぼーっとしてました
初日
せっかくの
せっかくの
せっかくのなのに
単なるアホですわ
ですが、二日目にして
パチンと音をたてて火がつきました
相変わらず原田さんのトークはおもしろく
また勉強になります
首が痛くなるくらいに、いちいち頷いてしまうのでした
キンダーの役者さん方も相変わらずステキです
すみません、
基本、ファンですから
でも、ここからは真剣勝負です
そんな気持ちは捨てますよ
ビビらず行きたいと思います


まずは一日目

フィクションとは何ぞやという話
フィクションの必要性
存在感とは?
などなど
詳細は教えてあげません
そんな、もったいない
まぁ、ちょっとだけなら
ちょっとだけですよ
「映画のおもしろさは、1筋、2ぬけ、3役者
ぬけとは観客に想像させる部分ではないか」
というお話
私がキンダーさんが好きなのは、まさにそこ!
想像力をかきたてられるからです
見終わった後にぐったりするくらいに
言葉にならない、いろいろな思いが降りかかって、たまらずに号泣したことも
想像した先の何かが欲しくて見に行くんだろう
私は
やりきりはNG
耳が痛い
以上!

そして今回のテキストについての話
その後、読み合わせ
テキストは4つ
どれをやろうか
かなり迷ってます
決まらない


二日目

希望を聞かれたので
とりあえず
オレステスのクリソテミスと
もう一本を出しました
泥仕合や憎しみを自ら増幅させるのが、しんどいな
という消極的な消去法もありましたが
クリソテミスの心情が、
戦争ものやハンセン病の本を読み続けてた時に
ふと、お笑いのビデオを見て
もう、いいじゃん
どうにもならないんだから
笑って楽しく暮らそう!
と思いつつも
何とも言えない罪悪感につつまれ
行き詰まった時の自分に重なる気がしたという理由からだったり

もう一本の台本、セツ子の面影が
平和で幸せなはずが、何かおもしろいこと、何か新しいこと、もっと愛して、もっと違う方法で、もっと角度をかえて、手をかえ品をかえて!
なぞとボヤき、
自分自ら乾いていった上で、潤して欲しいのと理不尽な願望を押し付けてた
かつての私と重なるからだったりも、します
自分の中にあるものを掘り当ててみたいなー
なんて
でも、今日、他の方がやってるのをみて、
他の脚本が断然に面白く思えてきたり
逆指名できるなら、私もエレクトラやりたいなー
と思ったり
さらに迷いはじめてます
どないしよ
直感で決めようか
とりあえず
今日言われたことを踏まえて
テキストを読みます!
何が出るかな?


三日目
キンダースペース連続WS「 劇的をめぐって 私は民衆だからね

もう一度、昨日、希望だしたのをやってみる
試しに他の作品Tをやってみようかと
一瞬迷うも
辞めておく
強烈な欲求じゃなかったので
で、
オレステスのクリソテミスを
このシーンのクリソテミスは
いろんなドラマがあると感じるわけです
他のシーンのどの役よりも
私にヒットするドラマが
でも感じるのと表現するのは違うのさ
どうも感情にもってかれて、ワナワナしちゃう
いろいろ考えて、細かく抑えて準備したつもりでも
やってみると、違う感情が出て来ちゃったりして、さらに戸惑ったり
そこを、おっ!って楽しめないとね
正解求めてる訳じゃないんだから
あーなんだ
この優等生ド根性
あっちいけ
とりあえず感情にもってかれるのは
確固とした役の信念みたいなものがないからだろうと思ったので、そこを持てるよう探ろう
母の喜びだけじゃないよ
と、さっくりと、
でもざっくりと
言われました
そうなのだ
民衆じゃないんだから
私とは立場が違う
ギャップ?
あぁ
言葉にすると何て陳腐なのだ
考えなしみたいじゃないか!
と、自己弁護したくなります
でも言葉とはそういうもの
だから言葉に気持ちをのっけても意味がないのだろう
いろんな気持ちやら考えやら何やらかんやら渦巻いた結果
出てくる訳で
どう言って伝えるかってだけでなく
その言葉を吐いた裏側やら内部を
探ってもらえるように存在したい
日常のひとこまで
誰かに好きって言われても
あっそうなんだ
ってそのまま受け入れるわけじゃなく
いろいろ相手の真意も探るもんね
でもって、出てくる言葉が
あっそうなんだ
だったりもする訳で
それは私が天の邪鬼だからってだけではないはず
日本の政治や行く末を本気で自分の大事として考えてる人は、どれくらいいるんだろう
未来を憂いたり、
斜め45度で見るのが得意な人は
たくさんいる気がするが
でもいつも考えてるのはしんどい
だって
地震が起きようが
台風が来ようが
どこかで戦争が起きようが
自分の幸せや笑顔がなきゃ
生きていけないのだもの
そんな民衆の勝手
でも渦中にいる人は、そんな事言ってられない
政治家の人たちは
国民を見て
何を思っているのでしょう
その家族も
家族なら、心底嫌になったら
もういや!
ってサヨナラすることもできる?
究極は
心底嫌になる瞬間って?
そんなことをとりとめなく
考えてみました
考えた後に
他の作品Kも、やっぱりいいよなー
やりたいなー
と、思い始めたり
そこが
私の民衆心理?
なんて
単なる優柔不断です
明日には決まるかな?

ひとごと


四日目
キンダースペース連続WS「 劇的をめぐって 決めました

テキストをやるまえに、アップにストレッチや発声をしてます
今日のアップはいろいろ動いたりしたのですが
何かね
自分の体を意のままに動かすのって
大変です
改めて、そんな実感
21を久々にやった
ななこさんは、案外気が短いのね
と、言われドキーン
そう、
そうなんです
私、早く最後まで行きたくて、すぐに何回でも言っちゃうの
この間はどう?
どうよ?
って攻めます
舞台上では受け身の方が得意なはずなのに
そして
個別にテキスト稽古を
試しにわがまま言わせてもらい、
テキストKをやる
楽しい♪
が、ワークショップですから
苦しみ度が高いであろう
オレステスに決めました
一緒にエレクトラをやって下さる元香さんと
ディスカッション
何のための苦しみか?
いくら苦しんでも、下々のものたちは、そんなことはどこ吹く風、嫌なことは忘れたかのように楽しく生きてる
親子
兄弟、姉妹

謎はつきませんね
次回までにセリフを入れていきます
感情ばかりにもってかれないように
それが課題
その言葉が生まれた、背景を考えてみます


五日目
キンダースペース連続WS「 劇的をめぐって 次元をめぐって

テキスト台本に
がっつり取り組む
セリフは入ったらしい
次元が違うのを、如何に表現するか
という課題をいただく
頭では理解できたかと思いますが
まぁ、そこがスタートなわけでして
これからが大変
ほかの方のを見て、こういう居かたも
次元が違うように見えるなー
なんて盗みつつ
考える
考える
そうそう、戦争ものの映画を何本か見てた時、
時代を経るにつれて、何かが色褪せていってる気がしたのよね
切り取り方が違ってきてるというか
そりゃあ、経験したか、目の当たりにしたかどうかで違うのは当たり前だし
見る側の人生によっても、見え方は変わるから
体験談を聞いても、それを自分の中で追体験できるかっていったら話は別で
頭の理解と、気持ちや感情のリレーは別のところにあるし
だから徐々に変わってきてしまうのは、仕方ないけど、怖くもある
だから最近ドキュメンタリーを欲するのかしら
なんて
あ、話がズレてきた
終戦直後に、
ほんまかいな
と何度もつぶやいた田辺聖子さんの本をちょっと思い出したから
日本のいちばん長い日での将校たちの反乱も
わかるようでわからないし
天皇に対する思いが、やはりまったく違うから
今と
日本国に対する思いも
理屈はわかっても、納得はできない
というか
納得はしたくない
というか
うまく言えませんが
絶対と思っていたものが崩れた瞬間、
あくまでも否定するか、
圧倒されるかだけか
受け入れるか
そこに至る根拠はどこに?
うーん
深みにはまってきたわ
台本にもどれ!


6日目
キンダースペース連続WS「 劇的をめぐって 次元をめぐって、迷う

本日は個別に別れての稽古
あとお休みをされる方のシーン稽古
次元の違いについて、試行錯誤しながらも何度もやってみる
やったらディスカッション
そしてまたやる
の繰り返しで
一度、役を入れ替えてもやってみる
相手を知るって大事なことでしたね
そこも探る
他のシーンのエレクトラからも探る
やはりねー
エレクトラは私にとっては
凍り付いた目をした子と重なるの
渇きが執着を呼び
執着が依存に姿を変え
求めすぎていく
それの実態がなくなれば
己の想像の中で際限なく膨らんでいく
現実より夢の中のが
自由に追えるし
自由に求め、答えもしてくれる
その場から動けないのが
自らの意志だと思い込み
それが、どこにも行けなくする
自分を切りつけないと生きてる気がしない
裏切りものと思われたくない
責めらたくないから服従する
不確かなものを誰よりも欲してる
感じないよう
信じないよう身を潜める
虚勢をはる
どうしても、マイナスイメージなのだ
その対局
と、捉えてみようか
ビルマの竪琴なのかなぁ
おーい水島
一緒に日本へ帰ろう
って叫んでるのかな
一縷の望みにかけて
わかっているけど、言わずにはいられない
その強い衝動の正体を知りたい
台本を全部読んだら、また違うんだろうなぁ
でも今回は、今あるシーンからで探る
あと2日で


7日目
キンダースペース連続WS「 劇的をめぐって 花に救われる

まずは見せて
課題をいだたき、個別に別れての稽古
見せ方というのを、ないがしろにしてました
具体的に言われて、あっさり納得
試しにやってみて、さらに納得
さらに、せっかく持ってる花を、象徴として生かしてと
花を持ってた
花は?
などと、やけに花にこだわってるなー
なんて他人事のように聞き、
とりあえず持ってたけど
そういうことか!
アホか!わたし
ということで
動きと花に意味を持たせつつ
繰り返し稽古してみる
やだ、めちゃくちゃ楽しい
世界にさらに近づけた感じ?感じ?
いいじゃない、思い込みでも!
やってることはつらいんだけど
疲れるんだけど
あぁ、もっと時間が欲しいよー
でも明日はいよいよ発表会
できることを
できるかぎりに
やろう
象徴として生きる、見せる
存在感で示す
ちょっぴり、実感できた模様です♪


8日目 最終日
キンダースペース連続WS「 劇的をめぐって いよいよ最終日!

グズグズにはなったけど
今度オレステスをやるときは、クリソテミスを
と、冗談混じりにも、有難きお言葉をいだたきました
嬉しいです
あーでも、くやしー
もう一回やりたい
が、それが舞台
やり直しはきかない
人生と一緒
それが生きてるということさ
と、自分を納得させる
あはっ
花を象徴的に使うことで
集中力は増しました
そしてエレクトラの最後のセリフの響きを
身を持って受けることができまして
あぁ、そういうことだったんだー
と、薄ぼんやりしてたものが明確になる瞬間でした
能でいうところの、すすき=秋
という、役者、お客様双方の想像力をかりたてる出がかりとなる存在としての
物の使い方みたいなのを体験させていただきました
オーバーに言い過ぎかもしれませんが私にとっては、そうでしたのよ
役者個人の存在感も必要だけど、
相手役との会話やら、今回でいう花のような象徴が
より自分の存在を引き出してくれるのですね
改めて、実感
そして他者になる
他者になるには、まず自分の事を知らないと駄目ですね
自分との違いはどこにあるのか
ならばその違いから発するズレは?
ズレから見える世界は?
なんてことを日がな考えました
自分を掘り当てることで他者も浮き彫りになるのかな
大変だったけど、楽しかった♪
また参加したいと思います
WS後は、アトリエにて打ち上げ
ビールが何かおいしいです
いろいろ話す
受ける側も芯が固まってないと
刺さらないよね
という元香さんの言葉に、非常に納得
また昼間見た芝居も重なり
ふと、お父様が生け贄に選んだのが
エレクトラだったらどうなっていたのだろうなんて思う
私がエレクトラならば
自ら立候補するかもなと
お父様のために、この身を
どうぞお役立てください
みたいに
三人姉妹の関係
姉妹と親の関係を
もっと知りたいなと
なので、オレスティア3部作を読んでみようかと
思っています
みなさま、楽しい時間を有難うございました
お疲れ様でした!