キンダースペースモノドラマワークショップ2025

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 キンダースペースは今年、創立40周年を迎えました。支えてくださった皆様のおかげと心より感謝申し上げます。また、これまでワークショップにご参加くださった方々とは演劇についての考え方、可能性について様々に語り合い、検討し、課題や私たちの未知も含め、たくさん共有し合えたと実感しております。これもまた私たちにとっては大きな励みでした、ありがとうございます。

 本年度は、二回のモノドラマワークショップの開催となりました。

 演劇と演技の重要な意義の一つは「ここにいる」ということについて、深く求め、確かめることです。人以外にも「脳」をもち、様々な発声とコミュニケーションの能力を持つ動物は沢山います。が、なぜ自分が「ここにいる」のか、「いる」とはどういうことなのかについて悩むのは人に限られます。これは「人」だけが、生物としての存在の他に、他者からの承認を求めるからです。そしてその「承認」は「言葉」によりもたらされます。

 近代の構造主義は、私たちの世界が「言葉」によって成り立っていることを明らかにしました。同時に、私たち演劇人は「言葉」が、時と場合によって変化する非常にあいまいなものであることも知っています。

 たとえば、『私はいい人間です』という科白があったとして、これがそのまま相手役や観客に受け取られる、とは作家も俳優も演出家も考えません。わざわざ口に出さねばならないとしたら、内実はかなり「悪い」人間かもしれない、と受け取るのが普通です。

 一方、モノドラマの場合、例えば、芥川龍之介の『杜子春』は、こう始まります。『ある春の日暮です。唐の都、洛陽の西の門の下に、ぼんやり空を仰いでいる一人の若者がありました』これを「ウソ」だと疑ってかかる所からは何も生まれません。

 つまり、モノドラマとは「関係」のなかで機能する近代の言葉と「世界」を語ろうとする言語の根本的機能を往復して作り上げる一つの舞台空間であり、そこに降りていくということは、俳優としても、一人の人間としても「ここにいる」居方をもう一度、確かめる、ということでもあるわけです。

 ここで扱うのは近代文学の「言語」です。近代を迎え「人」は、ますますその混迷を深め、文学作品の多くは、時代あるいは社会への違和感を根拠に作り出されています。同時にまた、私たちの心を揺さぶり、これまで気付かなかった考え方や、視点を示してくれるのも「言葉」です。俳優が、舞台空間の中で語る「言葉」によって生まれる「言葉」以上のものを、共に探っていきたいと考えております。 

原田一樹




モノドラマワークショップ 2025 Ⅰ Ⅱ

  Ⅰ   415(火)・16(水)・18(金)・19(土)・22(火)・23(水)・25(金)・26(土)


  1028(火)・29(水)・31(金)・111(土)・4(火)・5(水)・7(金)・8(土)


  各回、キンダースペースが現在、地域や学校で行っているワークショップやエクササイズなども紹介し

  進行します。募集は各回ごと。一年以上、あるいは複数回の舞台経験者が対象です。


  時間/19:00~22:00

  費用/24,000円

  定員/10名

  

  申し込み方法

 

1) モノドラマワークショップ Ⅰ  ・モノドラマワークショップ II  

  いずれか参加ご希望のワークショップを明記

2) お名前

3) ご住所

4) ご職業 (所属)

5) 電話番号

6) これまでの演劇経験年数・舞台回数(おおよそで結構です)

 

上記を

post@kinder-space.com

までお送りください。

返信メールにて、ご参加ご予約の確定をさせていただきます。


※定員になり次第締め切りますのでお早めにお申し込みください。

※劇団の事情により日程や条件が変更になる場合、応募者には早めにご連絡いたします。ご了承ください。

★ワークショップ2024までのアーカイブはこちらをご覧ください。





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